なにかにたとえるなら言葉
その多くは
創造のときといまとでは異なるらしい
あるいは音楽
歌い継がれるうちに
歓びの歌も哀しみの歌になる
そんなふうに
意味は時とともにかわる
世界はあやふやな存在ばかりでできている
人も
人は意味なきものではない
けれど
人は意味あるものでもない
永久不変は人の持ちものではないから
27の真ですら
人の手によって変化する
むかしむかし 天地の創造の時
剣と盾が争い 始まりを迎えた
剣と盾を飾る神々の石は 地と海に舞いおりた
それは27の永久不変の真
人がそれをひろいあげたとき
この世界に裁きが下された
昼と夜 光と闇 生と死
人々の畏れ崇めるそれは
永久不変の真に魅入られた愚者への贈り物
創世の物語も人の手によるものだけれど
真のひとつはたしかに少年の手にあったのだ
少年は真の命ずるままに300年の時を生き
幾つもの罰を受けいれた
意味あるものにならぬこと
存在するものにならぬこと
生と死の誰も居ぬ狭間で少年は
音もなく潮境を辿った
たとえ行きつくところなどなくても
たとえ希望など許されることでなくても
旅のおわりに少年は
たったいちどだけ真に背いた
自分はここだよ と叫ぶこと
最期の罰を迎えいれる前に
己が人であるために
お題配布元:テッド・30のお題!(リンク切れ)
テキスト版お題を開始しました。まずはオープニング兼エンディングといったイメージです。以降はお題順を無視していきます。なま暖かい目で見守ってください。
2005-01-12